2013年2月3日日曜日

Q67マザーで遊んでみる(その1)

性懲りもなくPCネタを。最近、現行より1世代前のモデルであるQ67マザーに興味を持ち、安く手に入らないかと探し回っておりました。Q67マザーはどちらかというと企業向けのモデルなので数が少なく、先日ようやく計2枚の調達に成功。色々といじって遊んでみることにしました。


で、今回調達したのが「DQ67OW」と「DQ67SW」、両方ともintel製のマザーボードです。「DQ67OW」はPS/2やシリアル/パラレルポートといったレガシー系のインターフェースを搭載しており、どちらかと言えばサーバー向けの製品。一方「DQ67SW」にはそういった装備は一切無く、USB3.OやDisplayport、eSATAといった最新のインターフェースを搭載しており、デスクトップPCとしての活用が見込める製品です。なおintel製のマザーなので、両者ともLANチップとして定評のある「Intel 82579LM」を搭載しています。

DQ67OW」は地元のPCショップに中古品が置いてありすぐに調達出来たのですが、「DQ67SW」の方は出物がなかなか見つからない。探し回ったあげく、新宿の中古PCショップに入荷されたところをすかさずゲットすることに成功。両者とも、4000円程度で調達することが出来ました。intel製のLANカード「EXPI9301CT」が3000円程度であることを考えると、これはなかなかお買い得と言えるかと。

お次にこれらの活用なのですが、まずは「DQ67SW」を使ってPV4キャプチャマシンをリプレースすることにしました。現在PV4キャプチャマシンにはASUS「P8B75-M」を用いており、取り立てて大きな問題があるわけではありません。ただ、リモートデスクトップで接続するとキャプチャに失敗してしまうため、Q67の持つ「AMT(Active Management Technolog)」という機能が使えないか、と考えた次第でして。

この「AMT」ですが、主に企業向けの機能ということもあって、正直よく分からない部分も多かったりします。調べても出てくるドキュメントが英語の物ばかりでちんぷんかんぷん。ただ、遠隔地にあるPCをリモートで管理できるという代物ということだけは確か。トラブったPCの目の前にいなくても、電源のON/OFFが出来たりBIOSをいじれたりと、 使いこなすことが出来ればなかなか便利そうです。

だがしかし。この「AMT」を使うためには、Q67等を搭載した対応マザーと対応CPUを組み合わせなければなりません。その対応CPUとは、すなわち「vPro」に対応しているものになり、概ねミドルレンジ以上のモデル(i5、i7、Xeon)になります。ちなみに、動作倍率変更が可能な「K」シリーズや、i5でも下位モデルは非対応だったりするので要注意。

ここで更に注意が必要となるのは、「DQ67OW」「DQ67SW」共にIvy Bridge世代のCPUには対応していないということです。つまりは必然的にSandy Bridge世代のCPUの中から、vPro対応のCPUを選ばなくてはなりません。intelのホームページから検索などしてみたところ、下記のモデルが対応していることが分かりました。

  • Intel® Core™ i5-2400 Processor (6M Cache, up to 3.40 GHz)
  • Intel® Core™ i5-2400S Processor (6M Cache, up to 3.30 GHz)
  • Intel® Core™ i5-2500 Processor (6M Cache, up to 3.70 GHz)
  • Intel® Core™ i5-2500S Processor (6M Cache, up to 3.70 GHz)
  • Intel® Core™ i7-2600 Processor (8M Cache, up to 3.80 GHz)
  • Intel® Core™ i7-2600S Processor (8M Cache, up to 3.80 GHz)
  • Intel® Xeon® Processor E3-1260L (8M Cache, 2.40 GHz)
  • Intel® Xeon® Processor E3-1220L (3M Cache, 2.20 GHz)
vPro対応のSandy Bridge世代のCPUには、他にも「i5-2390T」「i5-2500T」といった省電力モデルや、「Xeon E3-1245」等もありますが、残念ながら「DQ67OW」「DQ67SW」の方が非対応。もしかしたら最近のBIOSアップデートで動作するようになっているかもしれませんが、経験上intel製マザーは対応リストに掲載されていないCPUは動作しないことが多いので、今回はパス。たまたま手元に「i5-2400S」が余っていたので、これを使うことにしました。

さて、マザーとCPUが揃ったので、他のパーツはリプレース対象のPCから流用しつつPCを組み上げます。このあたりは頻繁に紹介しているので詳細は割愛しますが、これを機に電源をSeasonic「SS-500HT」 から、玄人志向「KRPW-G2-550W/90+」に置き換えました。旧来の「SS-500HT」、性能的には不満は無かったのですが発売が2004年と古く、電力効率も考えると置き換え時と考えたからです。今回「KRPW-G2-550W/90+」に置き換えたところ、アイドル時の消費電力は30Wを下回るようになりました。さすが80PLUS GOLD認証と言ったところでしょうか。この性能で5000円台半ばというお値段はなかなかお買い得と言えるかと。

ハードウェアの組み立ても終わり、Wndows7のインストール、旧環境からのデータ移行も完了。いよいよAMT周りの設定に入ります。今回は、愛読している「DOS/V POWER REPORT」のWebサイトに掲載されていた記事を参考に、やり方は掲載されていた方法をほぼ踏襲しています。やり方自体は上記リンクを参照して頂くとして、ポイントをいくつか挙げておきます。
  • 中古で買ったため、BIOS上の「Intel ME」メニューには入れず。マザー上のジャンパピンでパスワードリセットする羽目に。
  • IPアドレス指定は固定では無くDHCPにしておいた方が楽。ルーター側で固定IPアドレスを自動的にリースするようにしておけばOK。
  • 「Manageability Developer Tool Kit」上の「Remote KVM Settings」の設定で、パスワード設定に落とし穴が。合計8文字かつ、小文字・大文字・記号をすべて含む必要がある。「8文字以上」と勘違いして大いにハマってしまった。
とまぁ、いろいろと試行錯誤して、ようやくホスト機にリモート接続できるようになりました。長かった・・・。


これはクライアント機の画面になりますが、画面の右中程にあるウィンドウが、RealVNC経由で接続したホスト機の画面になります。このBIOSメニューだけでは無く、Windows起動から動作中の画面についても表示させることが可能です。

また、クライアント機のブラウザにて「ホスト機のIPアドレス:16992」 にアクセスすれば、AMTの管理画面を表示させることが出来ます(画像一番奥のFirefoxのウィンドウ)。現在のホスト機の状態表示から、果てはリモートでの再起動・電源ON/OFFを実施させることが可能です。当然、ホスト機の電源が落ちている時でも(ホスト機の電源がコンセントに接続されている限り)、この管理画面を表示させることが可能。いやぁ、なかなか凄い。

こうしてAMTによるリモート環境が整ったわけですが、いざ実際使ってみると問題が。PV4での録画中、RealVNC経由で接続すると、録画に失敗してしまうのです。リモートデスクトップやRealVNCそのもの機能と異なり、AMTはハードウェアによる機能なので、録画には影響しないと考えていたのですが・・・残念。録画中のリモート操作という、一番の目的が果たせない結果に終わってしまいました。

ただ、やはりリモートで管理できるというメリットは大きいのは確か。PV4で録画する時間帯はほぼ決まっているので、その時間外で管理したい場合には色々と重宝しそうです。このPV4キャプチャマシンは実家に設置しているので、マンションの自室にいる時は今まで全く管理できていませんでした。例えばトラブった際に、遠隔でリブート出来たりするのは非常にありがたいですわ。

とまぁ、やや期待外れに終わってしまったPV4キャプチャマシンのリプレースですが、まだ 「DQ67OW」が手元に残っています。今度はこれを使って実家サーバのリプレースを行おうと考えておりますのでこうご期待。

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